「歯が痛くなってから歯医者に行く」のではなく、痛くならないように事前にケアする取り組みが、「予防歯科」です。近年では、子どもから大人まで予防歯科への関心が高まり、歯が悪くなる前に受診する方も増えてきています。しかし、「何歳から始めればよいのか」「どのタイミングで受診するのが良いのか」など、疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。予防歯科は、むし歯や歯周病といったトラブルのリスクを早めに見つけ、自宅のケアだけでは防ぎきれない部分を歯医者で管理することが目的です。今回は、予防歯科を始めるのに適した時期と通院時のポイントについて解説します。
1. 子どもの予防歯科はいつから始めるべき?乳歯期の目安年齢
子どもの予防歯科は、「乳歯が生え始めたタイミング」から始めるのが適切です。具体的には、生後6か月〜1歳頃が目安となります。この時期は、むし歯菌が口の中に定着しやすい時期でもあるため、早めに予防をスタートすることが大切です。
①1歳半頃のタイミングでの初受診
多くの自治体では「1歳半健診」が行われています。この時期に歯医者でのチェックを受けることで、歯の生え方やむし歯のリスクを早い段階で確認することが期待できます。
②3歳児健診と定期検診のスタート
3歳になると乳歯もほぼ生えそろい、歯磨きの習慣も身につきやすくなります。この頃からは、定期的な予防歯科の通院を始めるとよいでしょう。およそ3〜4か月に一度の通院が理想的です。
③予防処置のタイミング
乳歯は歯の質がやわらかくむし歯が進行しやすいため、あとに生えてくる永久歯に影響を与えることがあります。必要に応じてフッ素塗布や歯磨き指導、シーラント(歯の溝を埋める処置)などを行うことでむし歯のリスクを軽減できる可能性があります。
④親子で正しいケアを学ぶ機会
幼少期から予防歯科を利用することで、親御さんも正しい仕上げ磨きやケア方法を学べます。親子で一緒に歯の健康を守る習慣づくりのきっかけになる場合があります。
子どもの歯を守る第一歩として、早めの予防歯科デビューが大切です。定期的な通院を習慣化することで、大きなむし歯を防ぐことにつながります。
2. 大人が予防歯科に通い始めるベストタイミングとは
大人の場合、予防歯科は歯や歯ぐきに異常が出る前から通い始めるのがおすすめです。むし歯や歯周病が進行してからでは治療が大がかりになりやすいため、早めに受診しておくことで治療の回数や費用を軽減できます。
①定期検診を受けたことがない方
これまでに定期検診を受けた経験がない方、あるいは数年以上歯医者に行っていない方は、年齢に関係なく早めに予防歯科をスタートしましょう。自覚症状がなくても、むし歯や歯周病が進んでいる場合があります。
②歯ぐきの違和感や口臭が気になる方
歯周病は初期段階では自覚症状が少なく、放置すると歯を支える骨にまで影響を及ぼします。歯ぐきが腫れる、出血する、口臭が気になるといったサインがあれば、早めの受診が必要です。
③妊娠中・出産後の女性
妊娠中はホルモンの影響で歯ぐきが腫れやすくなります。さらに出産後は育児の忙しさでケア不足になりがちです。この時期に一度チェックを受けておくと受診をきっかけにセルフケアを見直すことが大切です。
④治療が一段落した後のメンテナンス
むし歯や歯周病の治療が終了したときこそ、予防歯科に移行する良いタイミングです。再発を防ぐために、定期的なチェックとクリーニングを取り入れましょう。
⑤生活習慣の変化があったとき
喫煙、食生活の変化、ストレスなどは歯の健康に影響を与えます。歯医者で確認しておくことで、トラブルを早めに防げます。
自覚症状が出てからではなく、「何も症状がないうちに行く」のが予防歯科の正しいスタートです。将来の健康な歯を守るためにも、思い立った時に受診を検討するのも良いきっかけになります。
3. 予防歯科で行うケア内容と通院の頻度の目安
予防歯科では、歯や歯ぐきの状態を定期的に確認し、むし歯や歯周病を未然に防ぐための専門的なケアを行います。普段の歯磨きだけでは落とせない汚れを取り除き、トラブルを早期に見つけて対応することが目的です。
①プロフェッショナルクリーニング(PMTC)
専用の機器を使い、歯の表面や歯ぐきの周りにたまった歯垢や歯石を除去します。仕上げに歯の表面を滑らかにすることで汚れが再びつきにくくなり、むし歯や歯周病の予防につながります。
②フッ素塗布
フッ素には歯の表面を強化し、むし歯を防ぐ働きがあります。大人にも効果があり、初期むし歯の進行を抑えるためにも有効です。定期的に塗布することで、酸に対する抵抗力を高めることが期待できます。
③歯磨き指導
歯科衛生士による正しいブラッシング方法の指導も、予防歯科の大切な役割です。患者さん一人ひとりの磨き方のクセや口腔内の状態を把握し、より良い歯ブラシやケア用品の使い方を提案します。家庭でのセルフケアの質を高めることが、予防の基本となります。
④生活習慣のアドバイス
食習慣、間食の取り方、喫煙なども口の中の健康に大きく影響します。予防歯科では、こうした生活習慣に対するアドバイスも行い、むし歯や歯周病になりにくい環境づくりをサポートします。
⑤歯周病検査・むし歯チェック
目ではわかりにくい初期段階のむし歯や歯周病も、専門的な検査で早期に発見することができます。歯ぐきの腫れや出血、歯の動揺などがあれば、早めの対応につながります。
⑥通院の目安
予防歯科は3か月に1回程度の通院が一般的な目安です。ただし、むし歯や歯周病のリスクが高い方、喫煙習慣のある方、または子どもの場合は、1〜2か月ごとの受診が勧められることもあります。定期的に通うことで、トラブルを未然に防ぎやすくなります。
定期的に予防歯科を利用することで、むし歯や歯周病を未然に防ぎ、長く健やかな口腔環境を保つことにつながります。
4. 柏市・流山市の歯医者 康本歯科クリニックの予防歯科診療
千葉県柏市の歯医者 康本歯科クリニックでは、「0歳から100歳まで」どなたでも・いつまでも健康を維持できる世の中を目指し、予防歯科・歯の定期メインテナンスを通じて、柏市・流山市をはじめ周辺地域の皆様へ貢献すべく努めています。
国の方針でも、「早期発見・早期治療」「重症化予防・継続管理」の重要性が強調されており、近年は口腔機能の管理にも重点が置かれるようになっています。当院では、これらの国の指針に沿って医科や介護との連携体制も整え、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」として柏市内で早期に認定され、現在は制度改定に基づいた「口腔管理体制強化型歯科診療所」としての認証も継続しています。
次のような予防歯科診療を通して、患者さんと二人三脚でお口の健康を維持するサポートを行っています。
①むし歯・歯周病を予防する定期メインテナンス
歯科医院での定期的なチェックとクリーニングにより、早期発見・早期治療が可能となり、健康な歯を長く保つことができます。
②フッ素塗布やパウダークリーニングなどのプロケア
自宅の歯みがきでは落としきれない汚れを専用機器で除去し、再石灰化を促すフッ素で歯を強化します。
③誰でも毎日しっかり磨けるようになるセルフケアサポート
患者さん一人ひとりのお口の状態に合ったブラッシング方法を丁寧にアドバイスし、自分でしっかりケアできるよう支援します。
➃口腔機能チェックとトレーニング
「筋肉の衰え」は自覚しにくく、「むせやすくなった」「硬いものを避けがち」「言葉が滑らかに出にくい」といった日常の変化として表れることがあります。
当院では、咬合力検査(咬む力)や舌圧検査(舌を押す力)を3か月ごとに実施し、必要に応じて口腔筋機能訓練(お口の筋トレ)を取り入れ、口腔機能低下の予防に努めています。定期的な体力測定のような感覚で、50歳以上の方に特におすすめしています。
柏の葉キャンパス駅・流山おおたかの森駅からお車で10分かからずご来院いただけます。
また、柏市・流山市のほか、野田市・松戸市など千葉県各所からも多くの方が予防歯科・定期メインテナンスのためにご来院くださっています。
お口の健康を守る第一歩として、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
予防歯科は、子どもの場合は乳歯が生え始める 1歳前後からのスタート が理想的です。
大人にとっても、「症状が出てから」ではなく、症状がなくても早めに始めることがすすめられています。定期的にケアを続けることで、むし歯や歯周病を未然に防ぎ、将来的に大きな治療をしなくて済む可能性が高まります。千葉県柏市周辺で予防歯科をお考えの方は、康本歯科クリニックまでお気軽にご相談ください。
監修
康本歯科クリニック 院長 荒木 優介
■経歴
2008年 東京歯科大学卒業
2009年 東京歯科大学千葉病院
2010年 都内歯科医院で勤務
2014年 埼玉県歯科医院にて分院長
2015年 医療法人社団感動 康本歯科クリニック
2023年 同 院長就任
■資格
歯科医師臨床研修指導医
■セミナー
藤本研修会補綴・咬合コース
Dental Square Japan インプラントファンダメンタルコース
Naoshi Perio Club 臨床セミナー
石井歯内療法研修会 根管治療集中ハンズオン