歯周病は、歯を支える骨や歯ぐきに炎症が起こる病気で、進行すると歯を失う原因となることがあります。初期の段階では痛みなどの自覚症状が少なく、気づかないうちに悪化してしまうケースもあります。歯周病の発症には、歯垢（プラーク）や生活習慣、全身の健康状態など、さまざまな要因が関係しています。近年では「予防歯科」の重要性が注目されており、定期的な検診やクリーニングによって歯周病を防ぐ取り組みが広がっています。
今回は歯周病が起こる原因と、予防歯科での対策、自宅でできるケア方法について、柏市・流山市の歯医者 康本歯科クリニックが解説します。
1. 歯周病はどうして起こるのか？歯ぐきが炎症する原因とは
歯周病の主な原因は、歯の表面に付着する細菌の塊「プラーク（歯垢）」です。放置すると歯石となり、歯ぐきの炎症を悪化させます。ここでは、歯周病が起こる代表的な原因を整理します。
①プラーク（歯垢）の蓄積
食べかすや細菌が混ざったプラークは、歯と歯ぐきの境目にたまりやすく、炎症の原因となります。取り除かないままにすると、細菌が毒素を出し、歯ぐきを腫らせて出血を引き起こします。
➁歯石の付着
プラークが唾液中のカルシウムと結合して固くなると「歯石」になります。歯石は歯ブラシでは落とせず、その表面にさらに細菌が付着することで炎症の悪化につながります。
➂間違った歯磨き方法
強い力で磨くと歯ぐきを傷つけたり、反対に磨き残しが多いとプラークが残ったりします。歯並びや磨き方のクセに合った正しい磨き方が重要です。
④喫煙やストレスなどの生活習慣
たばこに含まれる成分は血流を悪化させ、歯ぐきの抵抗力を下げる可能性があります。また、ストレスによって免疫機能の働きが弱まり、炎症が治りにくくなることもあります。
⑤全身疾患との関係
糖尿病などの慢性疾患をもつ方は、血糖値の変動により歯ぐきの炎症が起こりやすくなり、歯周病の進行を早めることがあります。
歯周病の背景には、口腔内の汚れだけでなく、生活習慣や全身の健康状態も深く関わっています。原因を正しく理解し、早めに対策を取ることが大切です。
2. 予防歯科で行う歯周病へのアプローチと検診の重要性
歯周病を防ぐには、原因を正しく理解し、それぞれに合わせたアプローチを行うことが重要です。予防歯科では、定期的な検診と専門的なケアを通して、歯ぐきの健康を守り、再発を防ぐ取り組みが行われます。
①定期検診による早期発見
歯周病は自覚症状が出にくいため、3〜4か月に一度の検診で歯ぐきの状態を確認することが大切です。歯周ポケットの深さを測定することで、炎症の有無や進行度を把握できます。
➁スケーリング（歯石除去）
歯科衛生士が専用の器具を使い、歯石やプラークを除去します。家庭でのケアでは落としにくい汚れを取り除くことで、歯ぐきの炎症を起こす要因を減らすことにつながります。
➂PMTC（専門的なクリーニング）
専用の研磨剤とブラシで歯の表面を磨き、細かな汚れや着色を取り除きます。清掃後は歯面がなめらかになり、汚れの再付着を抑えやすい状態になります。
④生活習慣のアドバイス
歯磨きの仕方や食生活、喫煙習慣の改善など、日常的なケア指導も予防歯科の重要な役割です。個人のリスクに合わせて、継続的なサポートが行われます。
予防歯科での定期検診は、歯周病の発症を防ぐだけでなく、早期発見・早期対応にもつながります。自覚症状がなくても定期的に受診し、専門的なケアを受けて健康な歯ぐきの状態を保ちましょう。
3. 自宅でできる歯周病対策と生活習慣の工夫
歯周病を防ぐには、歯医者での定期的なケアに加え、自宅での毎日の取り組みが欠かせません。ここでは、自宅でできる主な予防方法を紹介します。
①毎日の歯磨き習慣を身につける
歯磨きは、歯周病予防の基本です。毛先のやわらかい歯ブラシを使い、歯と歯ぐきの境目を意識して磨きましょう。強い力で磨かず、小刻みに動かすようにするのがポイントです。
②歯間ブラシやデンタルフロスの使用
歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間は、歯間ブラシやフロスを活用しましょう。特に奥歯の隙間や詰め物の周辺は、プラークが残りやすいため注意が必要です。
③舌の清掃を取り入れる
舌の表面にたまる細菌（舌苔）は、口臭や炎症の原因となることがあります。専用の舌ブラシや柔らかい歯ブラシで、舌を傷つけないように軽く清掃します。
④バランスの取れた食事
ビタミンCやカルシウムを多く含む食品は、歯ぐきの健康維持に役立つとされています。
⑤喫煙を控える
喫煙は歯ぐきの血流や免疫機能に影響し、炎症が起こりやすい状態をつくることがあります。禁煙に取り組むことが、歯ぐきの健康を守るための一つの方法とされています。
自宅での丁寧なケアと生活習慣の見直しによって、歯周病のリスクを下げることにつながるでしょう。小さな工夫を積み重ね、毎日のお手入れを続けることが大切です。
4. 柏市・流山市の歯医者 康本歯科クリニックの予防歯科診療
千葉県柏市の歯医者 康本歯科クリニックでは、「0歳から100歳まで」どなたでも・いつまでも健康を維持できる世の中を目指し、予防歯科・歯の定期メインテナンスを通じて、柏市・流山市をはじめ周辺地域の皆様へ貢献すべく努めています。
国の方針でも、「早期発見・早期治療」「重症化予防・継続管理」の重要性が強調されており、近年は口腔機能の管理にも重点が置かれるようになっています。当院では、これらの国の指針に沿って医科や介護との連携体制も整え、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」として柏市内で早期に認定され、現在は制度改定に基づいた「口腔管理体制強化型歯科診療所」としての認証も継続しています。
次のような予防歯科診療を通して、患者さんと二人三脚でお口の健康を維持するサポートを行っています。
①むし歯・歯周病を予防する定期メインテナンス
歯科医院での定期的なチェックとクリーニングにより、早期発見・早期治療が可能となり、健康な歯を長く保つことができます。
②フッ素塗布やパウダークリーニングなどのプロケア
自宅の歯みがきでは落としきれない汚れを専用機器で除去し、再石灰化を促すフッ素で歯を強化します。
③誰でも毎日しっかり磨けるようになるセルフケアサポート
患者さん一人ひとりのお口の状態に合ったブラッシング方法を丁寧にアドバイスし、自分でしっかりケアできるよう支援します。
➃口腔機能チェックとトレーニング
「筋肉の衰え」は自覚しにくく、「むせやすくなった」「硬いものを避けがち」「言葉が滑らかに出にくい」といった日常の変化として表れることがあります。
当院では、咬合力検査（咬む力）や舌圧検査（舌を押す力）を3か月ごとに実施し、必要に応じて口腔筋機能訓練（お口の筋トレ）を取り入れ、口腔機能低下の予防に努めています。定期的な体力測定のような感覚で、50歳以上の方に特におすすめしています。
柏の葉キャンパス駅・流山おおたかの森駅からお車で10分かからずご来院いただけます。
また、柏市・流山市のほか、野田市・松戸市など千葉県各所からも多くの方が予防歯科・定期メインテナンスのためにご来院くださっています。
お口の健康を守る第一歩として、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
歯周病は誰にでも起こりうる病気ですが、早めの予防と定期的なケアで進行を防げる可能性があります。毎日の歯磨きに加え、歯科医院での検診やプロケアを取り入れることで、歯ぐきの健康を長く保ちやすくなります。生活習慣を見直し、気になる症状がある場合は早めに相談することが大切です。
歯周病や予防歯科に関するご相談は、柏市・流山市の歯医者 康本歯科クリニックまでお問い合わせください。
監修
康本歯科クリニック 院長 荒木 優介
■経歴
2008年 東京歯科大学卒業
2009年 東京歯科大学千葉病院
2010年 都内歯科医院で勤務
2014年 埼玉県歯科医院にて分院長
2015年 医療法人社団感動 康本歯科クリニック
2023年 同 院長就任
■資格
歯科医師臨床研修指導医
■セミナー
藤本研修会補綴・咬合コース
Dental Square Japan インプラントファンダメンタルコース
Naoshi Perio Club 臨床セミナー
石井歯内療法研修会 根管治療集中ハンズオン