虫歯は一度できると自然には治らず、放っておくと悪化する可能性があります。そのため、早めに治療を受けることが大切です。しかし、虫歯は「予防」できる可能性があります。最近では、虫歯になってから治療するよりも、予防することに力を入れる「予防歯科」への関心が高まってきています。大人から子ども、そして高齢の方まで取り組めることが期待できます。今回は、虫歯の原因や予防歯科の種類、効果的な予防法、そして歯を強くするためのポイントについて解説します。
1. 虫歯になる原因と予防歯科の重要性
虫歯は、口の中にいる細菌が糖をエサにして酸をつくり、その酸が歯を溶かしてしまうことで発生します。毎日の食事や生活習慣によって虫歯のリスクは高まるため、原因を正しく知ることが予防の第一歩です。
①プラーク(歯垢)の蓄積
歯みがきが不十分だったり、磨き残しがあると、歯の表面に細菌の塊であるプラークがたまります。このプラークが酸を生み出し、歯の表面を溶かして虫歯ができ始めることがあります。
②糖分の多い飲食物の摂取
甘いものや糖分を多く含む飲み物を頻繁にとると、口の中の酸性度が下がり、歯の表面が溶けやすくなります。特にダラダラと食べ続ける習慣は、虫歯リスクを高める原因になるでしょう。
③だ液の分泌が少ない
だ液には、口の中を中和し、歯の再石灰化を助ける働きがあります。口呼吸やストレス、薬の副作用などでだ液の量が減ると、虫歯が進行しやすくなります。
④正しい歯みがき習慣が身についていない
小さなお子さんや高齢者では、自分で十分に磨けないことが多いため磨き残しが多く、保護者や家族の手助けが必要でしょう。
⑤定期的な歯科検診を受けていない
虫歯は初期の段階では痛みがなく気づきにくいため、歯科医院での定期的なチェックが重要です。
予防歯科では、これらのリスクを減らすために、日常のケアとプロによる管理を組み合わせて虫歯を未然に防ぐことが目的です。特に子どもの頃から予防意識を高めることで、生涯にわたるお口の健康を守ることにつながるでしょう。
2. 予防歯科で受けられる虫歯予防の種類と効果
予防歯科では、歯科医院で行う専門的なケアや指導が受けられます。家庭でのケアに加えて、プロによるサポートを組み合わせることで、より効果的に虫歯を防ぐことが可能です。
①プロフェッショナルクリーニング(PMTC)
歯科衛生士が専用の機器を使って、歯みがきでは落としきれないプラークや歯石を除去します。定期的に受けることで、虫歯や歯周病のリスクを下げることが期待できます。
②フッ素塗布
歯の表面にフッ素を塗布することで、歯質を強化し、虫歯になりにくくします。子どもはもちろん、大人にも有効な予防方法です。
③シーラント処置
奥歯の溝に専用の樹脂を詰めて、食べかすやプラークがたまりにくくする処置です。特に生えたばかりの永久歯に有効で、子どもにおすすめの予防法です。
④ブラッシング指導
歯科衛生士による歯みがき指導では、正しい磨き方や自分の口の状態に合った歯ブラシの選び方など、具体的なアドバイスがもらえるでしょう。
⑤生活習慣の見直しサポート
食生活や間食のタイミング、だ液の働きを高める工夫など、虫歯を防ぐための生活習慣についてもアドバイスが受けることが可能です。
⑥定期検診による早期発見
虫歯は早期に発見し治療すれば、歯を削る量を最小限に抑えることができます。定期的な検診を受けることで、症状が出る前に対処できるのが大きなメリットです。
予防歯科は、歯科医院でのケアだけでなく、ご自宅での毎日のケアも合わせることで、より高い効果が期待できます。定期的に歯科医院に通い、普段から虫歯予防を意識することで、健康な状態を保ちやすくなるでしょう。
3. 歯を強くする「石灰化」を促す虫歯予防のポイント
虫歯を防ぐためには、原因となる細菌や食習慣を見直すだけでなく、「歯そのものを強くする」ことも大切です。歯は、酸で溶けても再びミネラルを取り込み、自己修復する力を持っています。この仕組みを「再石灰化(さいせっかいか)」といい、この働きを助けることが虫歯予防には欠かせません。
①フッ素を活用する
フッ素は再石灰化を促す代表的な成分です。歯の表面に取り込まれると、酸に溶けにくい「フルオロアパタイト」という強い結晶を形成します。市販のフッ素入り歯みがき剤の使用や、歯科医院での高濃度フッ素塗布が効果的です。
②だ液の分泌を促す
だ液には歯の表面から失われたカルシウムやリンを補う働きがあり、再石灰化に欠かせない存在です。よく噛んで食べる、ガムをかむ、水分をしっかり摂るなどでだ液の分泌量を増やすことが大切です。
③間食の頻度を見直す
頻繁に食事をしていると、口の中が酸性に傾く時間が長くなり、再石灰化の機会が減ってしまいます。食事の間隔をあけて、だ液が口の中を中和し、修復する時間を確保することが大切です。
④キシリトールの活用
キシリトールは、虫歯の原因菌が酸を作りにくくする糖アルコールです。再石灰化を促進する働きもあるため、キシリトール入りのガムを食後にかむ習慣を取り入れると効果的です。
⑤就寝前のケアを念入りに行う
就寝中はだ液の分泌が減るため、虫歯菌が活発になります。寝る前の歯みがきは特に重要で、フッ素入り歯みがき剤を使用することで寝ている間の再石灰化の助けになるでしょう。
歯を溶かす「脱灰」と、修復する「再石灰化」のバランスを保つことで、虫歯の進行を食い止めることが可能です。家庭でできる再石灰化ケアを取り入れて、虫歯になりにくい強い歯を育てていきましょう。
4. 柏市・流山市の歯医者 康本歯科クリニックの予防歯科診療
千葉県柏市の歯医者 康本歯科クリニックでは、「0歳から100歳まで」どなたでも・いつまでも健康を維持できる世の中を目指し、予防歯科・歯の定期メインテナンスを通じて、柏市・流山市をはじめ周辺地域の皆様へ貢献すべく努めています。
国の方針でも、「早期発見・早期治療」「重症化予防・継続管理」の重要性が強調されており、近年は口腔機能の管理にも重点が置かれるようになっています。当院では、これらの国の指針に沿って医科や介護との連携体制も整え、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」として柏市内で早期に認定され、現在は制度改定に基づいた「口腔管理体制強化型歯科診療所」としての認証も継続しています。
次のような予防歯科診療を通して、患者さんと二人三脚でお口の健康を維持するサポートを行っています。
①むし歯・歯周病を予防する定期メインテナンス
歯科医院での定期的なチェックとクリーニングにより、早期発見・早期治療が可能となり、健康な歯を長く保つことができます。
②フッ素塗布やパウダークリーニングなどのプロケア
自宅の歯みがきでは落としきれない汚れを専用機器で除去し、再石灰化を促すフッ素で歯を強化します。
③誰でも毎日しっかり磨けるようになるセルフケアサポート
患者さん一人ひとりのお口の状態に合ったブラッシング方法を丁寧にアドバイスし、自分でしっかりケアできるよう支援します。
➃口腔機能チェックとトレーニング
「筋肉の衰え」は自覚しにくく、「むせやすくなった」「硬いものを避けがち」「言葉が滑らかに出にくい」といった日常の変化として表れることがあります。
当院では、咬合力検査(咬む力)や舌圧検査(舌を押す力)を3か月ごとに実施し、必要に応じて口腔筋機能訓練(お口の筋トレ)を取り入れ、口腔機能低下の予防に努めています。定期的な体力測定のような感覚で、50歳以上の方に特におすすめしています。
柏の葉キャンパス駅・流山おおたかの森駅からお車で10分かからずご来院いただけます。
また、柏市・流山市のほか、野田市・松戸市など千葉県各所からも多くの方が予防歯科・定期メインテナンスのためにご来院くださっています。
お口の健康を守る第一歩として、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
虫歯は、予防することでリスクを減らすことができる病気です。毎日の歯磨きや食習慣の見直し、歯科医院での専門的なケアや歯を強くする再石灰化を促すなど、虫歯予防をするための方法はたくさんあります。
子どもから大人の方までみんなで予防を意識し、定期的な検診と正しい習慣を続けることで、一生涯にわたって健康な歯を保つことができるでしょう。
柏市・流山市周辺で虫歯予防をご検討の方は、康本歯科クリニックまでお問い合わせください。
監修
康本歯科クリニック 院長 荒木 優介
■経歴
2008年 東京歯科大学卒業
2009年 東京歯科大学千葉病院
2010年 都内歯科医院で勤務
2014年 埼玉県歯科医院にて分院長
2015年 医療法人社団感動 康本歯科クリニック
2023年 同 院長就任
■資格
歯科医師臨床研修指導医
■セミナー
藤本研修会補綴・咬合コース
Dental Square Japan インプラントファンダメンタルコース
Naoshi Perio Club 臨床セミナー
石井歯内療法研修会 根管治療集中ハンズオン